(台北中央社)中国福建省に近い離島・金門県の海岸に流れ着いたブタの死体から、アフリカ豚熱(ASF)の陽性反応が確認されたことが分かった。ASF中央災害対策センターが17日、発表した。豚肉の県外への輸送が少なくとも1週間禁止される。
同センターによれば、農業部(農業省)動植物防疫検疫署が14日、海巡署(海上保安庁に相当)から、海岸にブタの死体があるとの通報を受けた。県動植物防疫所の職員が現場で検体を採取し、死体を焼却・埋却処理した上で、周辺の消毒を行った。
その後行われた検体のPCR検査でASFの陽性反応が確認された。ウイルスの遺伝子配列は中国で流行しているASFのものと100%一致した。
金門県は中国大陸の九竜江の河口に近いため、ブタの死体が漂着することが時々ある。同センターの統計によれば、これまでに同県に漂着したブタからASFの陽性反応が確認されたのは、今回の事例を含めて16例ある。
同センターは、死体の発見箇所から半径10キロ以内の養豚場を県動植物防疫所の職員が巡回したところ、ブタの健康状態はいずれも良好で異常はなかったとした。
また農業部は17日、金門の豚肉や豚加工肉を台湾本島やその他の離島に輸送するのを23日まで禁止すると公告した。新たな感染が確認されなければ、制限は解除されるという。
台湾は2024年にASFの清浄地域に認定された。先月29日には豚熱(CSF)の清浄地域にも認定されたことが発表され、口蹄疫(こうていえき)を含む豚の三大感染症がないアジアで唯一の国となった。